五竜岳報告書
宮本(記)
【3月18日】 入山口:白馬五竜スキー場(登山口)
8:25
ゴンドラ、リフトを乗り継ぎ「天狗の頭」直下(アルプス平)
天狗の頭ー小遠見まで約3時
中遠見から大遠見に向かうも、適当な幕営地が見つからず、
中遠見と大遠見の中間地点に適地を見つけて幕営準備。
13:00
雪を踏み固め、鋸で雪を切って、テント場つくり開始。
小遠見付近にヘリ旋回す。遭難者発生。しばし眺める。(山スキーまたはスノーボーの誰かが怪我をしたようだ。)ヘリに吊り上げられていった。
14:00
雪が降り出す。
夜から暴風雪となり、テントが吹き飛ばされそうになる。
さらに怖いのが、雪でテントが押しつぶされることだ。
松崎が何度も外に出て、テントを押しつぶそうとする雪をかいてくれた。
【3月19日】
この日は「冬の台風」が襲来した。テントを飛ばそうとする暴風雪。
風がしばし止んだ一回だけ、ビデオをまわしに外に出ただけの私。
オシッコすらペットボトルをナイフで切って「尿瓶」にして使ったのだった。
一日中、酒を飲んでテントの中で「冬の台風」の通過を待った。
そうして翌日「まんじりともしない朝」を迎えた。
【3月20日】
暴風雪は止まず。
天候回復を待つが、上部の「パーテー」が撤退するのを機に、私たちも撤退を決心した。
7:30
準備にとりかかる。
8:00
出発。雪は小康状態となったが「風」は暴雨風の域を休むことはなかった。
テントを回収し、70から80センチ降った雪も暖かさのせいか表面がクラストしてアイゼン着用とした。
風のための耐風姿勢を何度もとりながら下山し続けた。
もっとも、松崎は「これも訓練ですよね」と楽しむ余裕もあったが、
時々二人とも強風に吹き飛ばされそうになった。
過日乗ってきた「リフト」「ゴンドラ」にも乗れずに、人っ子一人いない、白馬五竜スキー場の上部を二人並んで下山した。
五竜岳頂上を極めることはできなかったが有意義な「五竜岳山行」であった。
松崎・宮本
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