白山・御嶽山

夫婦登山旅行 行動記録

期間:2011年9月6日(火)~12日(月)



報告:加納

9月6日(火):水戸IC・常磐道・北関東道・東北道・北関東道・関越道・上信越道・北陸道・東海北陸道・白川郷IC・白山スーパー林道・とがの木台展望台で白山遠望・ふくべの大滝見学・157号線・白峰・市ノ瀬駐車場・白山温泉永井旅館入浴・市ノ瀬駐車場で車中泊
9月7日(水):別当出合駐車場・砂防新道登山・甚ノ助避難小屋・室堂センター・白山奥宮祈祷殿参拝・御前峰頂上2,702m・白山神社参拝・七池巡り大回りコース散策・日本海の日没観照・室堂センター泊


霊峰白山登拝道にて
一面のお花畑に囲まれた登山道で、後方は御前峰頂上、すぐ手前の台地状部分に室堂センターがある


御前峰頂上から見た大汝峰とお池
頂上からの七池巡りは、火山地形の急峻な下りのあと、剣ヶ峰と大汝峰の足元のお池とお花畑を巡るコースとなっている 最大の翠ヶ池は右側の尾根に隠れている


御前峰頂上にて
東京から来たイケメン四人組が陽気に撮影するおふざけポーズに触発されて撮影した完璧な晴天に恵まれ有頂天になった結果である


白山の御前峰頂上2,702mでの二人
陽気な四人組にからかわれながら撮ってもらった


お花畑にて
七池巡りの途中にあるお花畑では、チングルマの種が陽光に反射し銀白色に輝いていた


ロープネットに包まれた岩石
登山道の整備に利用するため、砂防工事現場からヘリコプターに牽引され運ばれた岩石


室堂センターから見た白山奥宮祈祷殿と御前峰頂上


室堂センターと御前峰頂上


日本海の夕日
静寂の中、時間の経過を忘れうっとりの心持ちであった


日本海側に浮かぶ雲海
豪快とも表現できる雲海の見事さを多くの室堂センター宿泊者と楽しんだ


日本海の日没
条件が良ければ日本海面に反射する日没像を加え、二つの日没が見える場合があるとのこと
9月8日(木):来た道を下山・白峰温泉総館入浴・157号線・158号線・白鳥IC・東海北陸道・東名高速・名古屋高速・伊勢湾岸道・豊明IC・豊明実家泊

9月9日(金)―10日(土):豊明・名古屋・一宮で過す・豊明実家泊

9月11日(日):豊明IC・伊勢湾岸道・東海環状道・中央道・中津川IC・19号線・馬籠宿散策・御岳スカイライン・田の原駐車場・王滝口コース登山・金剛童子像・石室・王滝頂上・御嶽神社頂上奥社本宮参拝・剣ヶ峰頂上3,067m・御嶽神社参拝・御嶽頂上山荘入浴・御嶽頂上山荘泊

宿泊した御嶽頂上山荘
御嶽神社から撮った石段のすぐ下にある御嶽頂上山荘
9月12日(月):ご来光観照・剣ヶ峰火口壁の三十六童子お鉢巡り・二の池・王滝頂上・来た道を下山・田の原駐車場・19号線・361号線・伊那IC・中央道・長野道・上信越道・関越道・北関東道・東北道・北関東道・常磐道・水戸IC・水戸自宅帰還

中央アルプス越しのご来光
早朝寒さを避けるため御嶽頂上山荘から持ち込んだ毛布に包まりながらしっかり拝観した


御嶽神社と石段


御嶽山の剣ヶ峰頂上3,067mでの二人
ご来光を拝観後、十分明るくなってから御嶽頂上山荘宿泊者に撮ってもらった


眼前の乗鞍岳と遠方の北アルプス連峰
乗鞍岳の右となりに槍ヶ岳、穂高連峰が見える


剣ヶ峰火口壁にて
剣ヶ峰を下り火口壁の三十六童子お鉢巡りを開始したところ


反対側の火口壁から剣が峰を見たところ
剣が峰手前の火口跡は一の池であるが夏場は雪解け水が干上がっている



火口壁から見た二の池
険しい火口壁の三十六童子お鉢巡りを終え二の池に下るところ 二の池のコバルトブルーが美しい


御嶽神社・御嶽頂上山荘を望む
二の池から王滝頂上へトラバースする途中で撮った


登山道の途中に設けられた山岳信仰像
山岳信仰にかかわるご神体、役の行者、空海の像が見られる


山岳信仰に帰依する信者
時々法螺貝を高らかに吹きながら勢いよく下山していった

旅の経過・印象・感想 加納茂機 妙子
これまで二度、雨、台風のため夫婦による白山登山を中止してきた。当初、8月末に登山に出発する予定であった。のろのろ進行する台風12号の通過をじっくり待ち、一週間遅らせて水戸を出発した。あわせて昨年木曽駒ケ岳山頂から見たどっしりと神々しい姿をした御嶽山も挑戦することとした。四年ぶりの夫婦登山である。
1.白山麓の市ノ瀬駐車場まで水戸から650kmのドライブであった。水戸と酸ヶ湯温泉との間と同じ距離である。白山スーパー林道は、両側4車線で風光明媚な山岳風景が続き快適なドライブを楽しめた。谷側は急峻な断崖が延々と続き、道路工事は困難を極め多くの費用を要したと思われた。
2.市ノ瀬駐車場での夫婦二人による車中泊は初めての体験であった。山中のため夜間少し寒さを感じたほかは特に問題はなかった。
3.家内のペースにあわせ通常よりゆっくり登った。室堂センターまで約五時間、昼食後、御前峰山頂まで約一時間の登山であった。夏休み期間が終わりウイークデーにもかかわらず、御前峰までは多くの登山者で賑わっていた。頂上から剣ヶ峰、大汝峰の足元を歩くお池巡りでは、我々のほか四名のみ、大周りコースでは我々だけとなった。多少不安な思いをしたが、見通しが良くきき地図をしっかり確認しながら無事室堂センターに戻った。
4.御前峰山頂では、日本アルプスの山並みは雲に遮られ見られなく残念であった。御岳山の雄姿はどうにか遠望できた。
5.登山中、上空をヘリコプターが砂防工事現場、避難小屋、室堂センター、登山道工事現場をひっきりなしに行き来していた。必ず何らかの荷物(食料等物資・燃料・建設設備・岩石・汚物タンク等)を牽引し時間の無駄なく効率的に飛行する様子が双眼鏡で観察できた。
6.甚ノ助避難小屋は新築されたばかりで快適なものとなっていた。古い小屋の解体の一環として、トイレ汚物をタンクに充填しヘリコプターで撤去する作業が行われていた。
7.登山道に丸い形状の小石がたくさん見られるのを家内が気づいた。これらは渓流で侵食され丸くなった小石が砂防工事現場からヘリコプターで運ばれ登山道工事に利用されたものと思われる。
8.登山道の敷き石は、階段状ではなく傾斜のある石畳状に設置されている所があった。穂高涸沢山荘への登山道でも同様に石畳状に岩石が敷き詰められている。重量物を担いで登る場合、階段状よりも石畳状のほうが負担が少ない。そのため、涸沢山荘関係者が石畳状に登山道を整備したとの話を涸沢山荘元支配人から聞いた。白山でも同様な理由から登山者の負担を軽減するための工夫が行われているのだと思う。
9.七池巡り大回りコースの登山道脇にロープネットに包まれたまま岩石が放置されていた。これらは登山道の敷石用に有効活用するため、砂防工事現場からヘリコプターで運ばれてきたものである。
10.室堂センターで日本海側の幻想的な雲海・夕日・日没を時間が止まるごとくゆっくり眺望でき、忘れられない体験をした。翌早朝のご来光は、室堂センターが尾根の影になるため御前峰まで約一時間登らなければならず断念した。帰りは来た道をゆっくり下山した。
11.御嶽山への途中立ち寄った馬籠宿は、学生時代研究室の仲間と来て以来45年ぶりであった。懐かしい思い出がよみがえった。
12.御嶽スカイラインでは、道の両側に山岳信仰にかかわる石造物が延々と続いていた。登山道でも多くの石造物・童子像等がみられ、御嶽山が山岳信仰のメッカであることを示していた。空海の像が見られたことから、山岳信仰と真言宗の共通性・共融性(祈祷・呪文等)がここでも感じられた。白山も山岳信仰で有名であるが、御嶽山のような石造物は見られなかった。
13.通常よりゆっくり登り、御嶽山の最高峰である剣ヶ峰頂上3,067mまで約三時間半の登山であった。眼前に乗鞍岳・木曽駒ケ岳等の中央アルプス・遠方に北アルプス・白山等のパノラマビューを満喫できた。
14.御嶽頂上山荘は、風呂に入ることができた。頂上にある御嶽神社の石階段のすぐ下にあり頂上への行き来が便利であった。
15.早朝、御嶽神社の階段を山小屋の毛布持参で駆け上がり、頂上で中央アルプス越えにご来光をしっかり拝観、すがすがしい朝を迎えた。
16.剣ヶ峰火口壁の三十六童子お鉢巡りでは、八ヶ岳の横岳のような険しい岩場を慎重に越えながら三十六の童子像を巡った。その後、二の池を回りこみ王滝頂上経由で来た道をゆっくり下山した。
17.二の池のほとりで、宿泊した御嶽頂上山荘の若主人と偶然出会った。シーズンオフには、大工仕事を生業としているとのこと。他の山小屋からの修理依頼で大工仕事に出かけるところであった。シーズンオフでの山小屋経営者の暮し方はそれぞれであり、寒い期間、東南アジアで長期過す人達がいるそうである。
18.白山では山小屋宿泊者が結構多かったが、御嶽山では我々が宿泊した御嶽頂上山荘では四名と少なかった。御嶽山は白山より登山行程が短いため、日帰り登山者が多いようである。お鉢巡りで出会った登山者は、早朝ということもあり高校生らしき四人組みだけであった。
19.白山では、火山地形と花のピークは過ぎていたが多くのお花畑と出合い、御嶽山では、特にお鉢巡りで火山特有の荒々しい地形を体感するとともに、脈々と引き継がれている山岳信仰の象徴をたくさん見ることができた。
20.台風12号の通過を辛抱強く待ったおかげで、全行程晴天に恵まれた。最後に、四年ぶりの夫婦登山は大過なく満足できるものであった。




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