「小金沢連嶺」冬山縦走

期間:2011年2月19日(土)~20日(日)



報告:松崎

2/19(土) 下高井戸駅(05:09)⇒高尾駅(06:06/06:14)⇒塩山駅(07:23/07:28)⇒大菩薩峠登山口(裂石)(07:55)
登山口(08:10)・・・上日川峠(09:40)・・・大菩薩嶺(11:05)・・・大菩薩峠(11:55)・・・石丸峠(12:40)・・・小金沢山(14:40)・・・牛奥ノ雁ヶ腹摺山(16:00)・・・川胡桃沢ノ頭直下(16:55)泊
2/20(日) 川胡桃沢ノ頭(06:00)・・・黒岳(07:00)・・・湯ノ沢峠(08:15)・・・湯ノ沢峠登山口(09:15)・・・やまと天目山温泉(10:15)
やまと天目山温泉(10:27)⇒甲斐大和駅(10:38/10:39)⇒高尾駅(11:38/11:43)⇒下高井戸(12:33)

2/19(土)
始発電車で塩山に向かう。高尾からは中央本線に乗り換え、登山客もちらほらしてきたので、こちらの山の気分も盛り上がってきた。塩山駅で下車し、登山バスに乗り換えた。登山客は6~7人ほどで、シーズン中ならごった返すバスも静かなものだ。裂石登山口には30分ほどで到着した。登山口にはきれいなトイレが設置されており、用を足し、準備万全でいざ出発!

きれいなトイレ


いざ出発!
千石茶屋までは舗装路歩き、千石茶屋からは舗装路と登山道(ショートカット)に分かれる。

千石茶屋
雪が所々にあって、解けて凍っている場所があるので下山時はアイゼンを着用したほうが、無難なようだ。上日川峠で小休止をした。山の気分も盛り上がってきたところに、山小屋の主人であろう人が上日川峠に車で乗りつけたものだから、ゲンナリさせられた。

上日川峠にあるロッヂ長兵衛
上日川峠より先は雪山の様相で、福ちゃん荘より唐松尾根に入り、本格的な登山道となる。

福ちゃん荘
唐松尾根に入ると雪が多くなった。しかし、しっかり踏み固められており、困難なく登ることができた。雷岩の手前から展望が開け、美しい雪化粧をまとった富士山が現れた。雷岩から大菩薩嶺までは10分ほどのピストンとなる。頂上で小休止を取った。

雷岩からの風景


大菩薩嶺頂上
大菩薩嶺を後にして、大菩薩峠に向かう。トレースがしっかりしているので、歩行はすこぶる快調だった。

雷岩から少しいったところでパシャリ。これからこの峰々を行く


大菩薩峠の途中の賽ノ河原にある大菩薩峠休憩舎


大菩薩峠にある介山荘。大きくて立派な建物である
介山荘の脇を抜け、小金沢山方面の稜線を確認すると、トレースがない!人が多く入る山なので、トレースを期待していたのだが、当てが外れた。足を一歩踏み入れてみると、膝下あたりまでもぐってしまう。かなりの苦労が予想されるので、一瞬、下山という言葉がよぎるも、時間も早いことだし、行けるところまで行って戻ってくるのもいいだろうと思い直した。
雪の量はくるぶし程度のところもあれば、膝上まであるところもあった。雪質は最中状のものが終始続いた。雪との格闘が続いたので石丸峠でワカンを装着した。

熊沢山より石丸峠方面の展望


石丸峠
ワカンを装着しただが、石丸峠より先は吹き溜まり箇所が多く、膝下~膝上まで埋まる状態は変わらなかった。当然、スピードも上がらず小金沢山までコースタイムの1.5倍程度かかってしまった。この時点で14時40分、このペースだと湯ノ沢まではたどり着けないかもしれないので、ビバークという選択肢が頭の片隅に生まれ始めた。

小金沢山
小金沢山から牛奥ノ雁ヶ腹摺山間は吹き溜まり箇所の連続で、疲労も手伝ってコースタイムの倍程度かかった。この時点で16時、最低限、黒岳までは行きたかったのだが、それも難しそうだ。牛奥ノ雁ヶ腹摺山の頂上は樹林帯で風も少なく、雪も深く水用の雪が容易に取れるので(小金沢山付近は唐松帯で、雪にその落ち葉が混じっていて、水を作るには不向きだった)、ここで泊ろうかとも考えたが、できるだけ進んでおきたかったので、次の川胡桃沢ノ頭まで進むことにした。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山


左上に見えるピークが川胡桃沢ノ頭(頂上直下にてビバーク)
川胡桃沢ノ頭の中腹あたりで暗くなり始めたので、ビバークの適所を探しながら登っていった。ちょうどよい場所を見つけたので、そこにザックをおろした。早速、ワカンを履いたまま雪を慣らし、テント場を作った。樹林帯なので木と木の間に細引きを張り、それをツェルトの棟にして設営することにした。避難小屋泊りを想定して持ってきたエアマットとシェラフをツェルト内にセッティングして、水用の雪をかき集めてから、ツェルトに潜り込んだ。どうにか真っ暗になる前に水を作り出すことができた。アルファ米とフリーズドライ牛丼×2、ワカメスープで夕食を済ませた。狭くて身動きが取れず、そして、特にやることもないので19時半に寝ることにした。

2/20(日)
4時起床。不手際で足が濡れていたため、かなり冷たかった。その為、足が乾くまで熟睡ができなかった。インスタント麺と昨日の残りのご飯、食後のミルクティーで腹ごなしをした。5時50分に出発した。「朝は雪が締まっているのでは」と期待して一歩目を踏み出すも、昨日と状態は変わらなかった。10分後に川胡桃沢ノ頭に到着した。

川胡桃沢ノ頭の頂上にて
まだ薄暗い樹林帯を注意しながら進んだ。疲労は回復したので、雪は深いが順調なペースで黒岳に登頂することができた。

黒岳
これまであまり展望に恵まれない山旅を続けてきたが、白谷丸に向かうに連れ、少しずつ展望が開けてきた。

白谷丸からの展望
ようやく展望も開け、気持ちも晴れやかになってきたのだが、稜線からの一気の下りとなり進む方向が分かりにくかった。地図を頼りに慎重な下山が続いた。湯ノ沢峠が見えてきてホッとしたのも束の間、今度は伸び放題の笹薮のトンネルが続いた。この辺りは日当たりが良い為か雪はくるぶし程度となった。
湯ノ沢峠に着き、目標の南大菩薩縦走を敢行するか悩んだが、これから向かうとコースタイムで下山時間が15時となってしまうため、登山道の状態も分からない縦走は困難と判断し、ここから下山することにした。湯ノ沢峠避難小屋は焼山沢に少し進んだ所にひっそりと佇んでいた。湯ノ沢峠までは車で上がってこられるため、人工物が多く、山旅が終わりを迎えていること感じさせた。

湯ノ沢峠避難小屋


湯ノ沢峠にあるトイレ(鍵がかかっていた)


水場(チョロチョロだが水は出ていた)
焼山沢を何度か渡渉を繰り返しながら下っていくと、久しぶりに踏み跡に出会った。ここまで登って引き返したようだ。湯ノ沢峠登山口からは舗装路の歩きが永遠と続いた。途中、何か見えるなと思っていると、無数の赤い幟が印象的な竜天宮があった。

竜天宮
やまと天目山温泉に到着し、温泉で一風呂と思ったが、その前にバスの時刻を確認すると15分後に来て、その次は3時間後になってしまう。泣く泣く温泉は諦め次のバスに乗ることにした。甲斐大和でも乗り継ぎよく電車に乗ることができ、帰途についた。




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