阿寒三山(雌阿寒1499m・阿寒富士1476m・雄阿寒1370m)
期間:2016年7月20日(水)~23日(土) |
阿寒登山は今回2回目である。2012年8月に十勝岳と羊蹄山を一緒に登って以来、4年ぶりの山行である。成田からジェットスターで新千歳空港に、JR釧路本線で帯広まで列車で移動する。昭和38年以来、53年ぶりの乗車であった。昼飯は、駅前の豚丼で有名な「ぱんちょう」である。飯亭をもじったと店の人が説明してくれたが、行列のできる有名店である。外国人もたくさんいて味は看板に偽りはなかった。帯広でレンタカーを借りて、十勝牧場の2キロに及ぶ白樺並木や十勝平野展望地に寄り、螺湾フキで有名な足寄経由でオンネトーに向かう。雌阿寒岳の麓にある静かな湖である。我らのほか観光客は数人しかいない。僅かに揺れる湖面に雌阿寒岳と阿寒富士が逆さに映っている。今宵の宿は雌阿寒温泉にある旅館野中温泉である。地産地消のこころ温まる部屋食の夕食を頂く。連泊である。温泉は、源泉かけ流し硫黄泉であるが、べとべとせずサラッとしている。雌阿寒岳登山の基地で登山客癒しの場である。
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釧路本線標示板 |
帯広豚丼ぱんちょう |
十勝牧場展望台戦争と平和撮影地 |
白樺並木 |
7月21日
雌阿寒岳周回コース(野中温泉―頂上―阿寒富士―オンネトー国設野営場)
野中温泉裏手の登山口を7:55に出発する。エゾアカマツの展示林の中を木の根踏みながら15分も進むと1合目である。ゴゼンタチバナが足元に花をつけている。しばらくハイマツのトンネルを抜けて高度上げて行く。1時間ばかりで谷あいの沢を渡ると、周囲が明るい4合目となる。イワブクロ、メアカンフスマ、メアカンキンバイ等の花々が疲れを癒す。高山植物を愛でながら更に1時間ばかり急坂を登ると6合目で、ここからは赤茶けた火山礫の中の急坂をジクザクに切って登るようになる。振り返ると、眼下に樹海の中のオンネトーが青い湖面を浮き出している。7合目付近でハイマツの林に逃げ込む小動物を見たが、ふさふさした尻尾であった。
8合目上の火口壁に出ると荒涼たる火口原を覗くことができる。噴煙の中をイワツバメが飛び回り、火口に赤沼が覗ける。火口壁の向こうに阿寒富士の美しい姿が見える。この火口壁を左に回り込むと雌阿寒岳の頂上である。
10:30に到着する。2時間30分、標高差800mの登頂である。山頂の内側にはシュシュと音をあげる噴気孔や青沼、赤沼がある。頂上は風もなく、空は開け、北の雄阿寒岳からポンチネシリの火口原、南に阿寒富士を望み、遠くに十勝岳や大雪の山脈が展望できた
登山口7:55 1合目8:10 4合目8:55 6合目9:40 頂上10:30
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雌阿寒富士を映すオンネトー |
野中温泉 |
野中温泉風呂 |
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雌阿寒岳赤沼 |
雌阿寒岳頂上 |
雌阿寒岳青沼 |
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帰りは、オンネトーコースを取る。8合目分岐から本ルートと分かれ阿寒富士を目指す分岐11:00、阿寒富士登り口11:10。見上げる山肌にジクザクに切った登山道が幾何学模様のように見える。砂礫に足をとられながら11:45トップに立つ。対面に雌阿寒岳の雄大な景色が展開していて、火口の全景を見ることができ、阿寒富士に登ってよかった。雌阿寒岳の南斜面や阿寒富士の斜面には今をさかりにコマクサが咲いていた。こころ痛かったのはコマクサ原に靴の足跡があったことだ。本ルートに戻り、7合目が13:00、ここから下はハイマツのトンネルやエゾアカマツの針葉樹林をくぐりながら高度を下げる。3合目付近で石が重なり合った隙間にヒカリゴケを発見する。オンネトーの登山口に14:45に到着する。オンネトーの湖畔を回り、針葉樹林帯の中を歩くこと1時間、遊歩道とは名ばかりの山道を熊の心配をしながら野中温泉に戻る。16:00だった。阿寒富士の分岐7合目からオンネトー登山口まで1時間45分の下山であった。天気に恵まれた雌阿寒岳登山であった。見た花;ゴゼンタチバナ、メアカンフスマ、イワブクラ、メアカンキンバイ、コマクサ、ギンレイソウ
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ギンレイソウ |
イワフクロ |
メアカンフスマ |
メアカンキンバイ |
コマクサ |
7月22日
雄阿寒岳 活火山でないとされていたが、過去1万年以内に噴火していて事がわかり、2011年6月7日に活火山に選定された。
阿寒温泉街から車で5分ほどのところに滝口登山口がある。10台程度の駐車場がある。阿寒岳は1370mと標高は程ほどであるが、登山口が450mであるから約1千mの標高差で中々手強い。8:20登山口を出発する。雄阿寒岳の南斜面には羊歯や地衣類が繁茂していて緯度の高い山中とは思えない。針葉樹林帯を抜けて太郎湖から次郎湖の分岐にくると、登りがきつくなってくる。ここからは大きな木の根っこ越えや大きな石を跨いだり、倒木を潜ったり跨いだりと登りのリズムが取れにくい。10:22、3合目に着く。2時間経過でまだ3合目である。いかに登りが大変だかおわかりいただけたでしょう3合目から4合目あたりは、木々や岩石にびっしりと苔が付き、まるで屋久島のトトロの森と同じである。更に急登が続き11:40に5合目に到着する。5合目標示板に8割登った事になると書かれている。ハイマツの切れた展望所から阿寒湖や昨日登った雌阿寒岳・阿寒富士の山容が見られる。きつい登りは7合目まで続くが、針葉樹林から白樺、ダケカンバが多くなり視界が広がり気分が楽になる。7合目からはハイマツの低木林の中を緩やかに登る。傾斜は緩やかであるがガレ場でズルズルする。0:22、8合目に到着する。観測所のあった場所で名残の石門が2つ残っている。ここから稜線の彼方に頂上が見える。9合目は鞍部にあるので、一度下って登り返すことになり相当時間がかかると覚悟したが、山頂下のガレ場を一気に登ると8合目から20分程で山頂に到着する。0:47である。登り4時間30分の登頂である。9合目は風が吹き抜けるから要注意である。左手下に火口と思われる草原が広がっている。頭上は青い空が広がっているが、東から北にかけては雲海が広がり摩周岳や斜里岳が頭を突き出している。見事な光景である。南の雌阿寒岳や仏夫子岳は雲がながれて見え隠れする。テッペンの360度の展望を愉しんで山を下りることにした。滝口の登山口に17:05に戻った。往復8時間40分のきつい登山であった。この山での花は、登山口でのシャクナゲ、ゴゼンタチバナ、ギンレイソウ、6合目のハクサンチドリ、アザミなど全体的に花が少なく、小鳥の鳴き声も多くはなく、セミの鳴く声はなかった。
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雄阿寒岳登山口 |
太郎湖 |
5合目 |
8合目 観測所跡 |
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8合目から頂上遠景 |
9合目 風が強い |
9合目左手の火口跡? |
頂上下の胸突き八丁 |
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雄阿寒岳頂上 |
どこへ行くか飛行機 |
雲海の摩周岳・斜里岳 |
雌阿寒岳・阿寒富士 |
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1合目樹林帯 |
太郎湖付近のシャクナ |
イソツツジ |
ハクサンチドリ |
2日間で標高差 雌阿寒岳800m、阿寒富士150m、雄阿寒岳1000mを踏破する。雄阿寒は雄のごとく荒かったが、雌阿寒は文字通り優しかった。
7月23日、北海道最終日。摩周湖に出かけるが布施明の歌の通りであった。しばらく晴れるのを待っていたが見込みなく下山する。芽室の親戚の家を訪ねる。昭和38年に訪ねたから53年ぶりの訪問である。家も新しくなって当時の面影はなかったが、周囲の広大な十勝平野は変わりがなく、麦秋の小麦、芽が伸びたばかりの大豆、花が咲いているジャガイモなどが十勝の夏を演出している。
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1合目先の距離表示 |
阿寒湖東端 |
見晴るかす十勝平野 |
新千歳空港 |
帯広から新千歳にJRで戻り、成田空港着21:40で帰還した。飛行機代18340円、JR13800、宿泊代27064、レンタカー9765、飲み物2106、駐車場920、高速代907、昼食1100 合計75068円 宿泊雌阿寒温泉野中温泉、ニュー阿寒ホテル
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帯広ぱんちょうの豚丼 |
名寄松山千春顕彰碑 |
名寄名物螺湾フキ |
夕景のオンネトー |
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オンネトー雌阿寒岳・富士 |
野中温泉の食事 |
雌阿寒岳コマクサ |
雌阿寒岳全景 |
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オンネトー周辺案内 |
雌阿寒登山口エゾアカマツ林 |
木の根ふみ |
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雌阿寒岳8合目 |
ポンマチネシリ火口 |
宿用意の握り飯 |
名前が思い出せない |
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名も知れず? |
私の記憶では? |
親戚の庭先開拓100年 |
雌阿寒岳4合目風景 |
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イワフクロ満開 |
雌阿寒から仏夫子岳 |
雌阿寒岳山頂稜線 |
毛阿寒富士山頂から |
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雌阿寒岳コマクサ |
阿寒富士から雌阿寒全景 |
雌阿寒から十勝岳方面遠景 |
噴煙の彼方に雄阿寒岳 |
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雄阿寒岳登山口 |
登山カード提出 |
3~4合目苔むした林 |
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雄阿寒 ウサギキク |
雄阿寒 イソベンケイ? |
雄阿寒8合目から9合目に |
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ペンケトー? |
雄阿寒からの阿寒湖 |
パンケトー? |
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ホテルのエゾシカ鍋 |
霧の摩周湖 |
帯広駅ホーム |
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雄阿寒岳 ヒカリゴケ |
阿寒富士下山中 |
芽室の親戚の農場全景 |
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