伊豆諸島 式根島・神津島(天上山)

期間:2017年5月12日(金)~14日(日)



報告:渡辺

 早朝の竹芝桟橋は薄曇りの間から朝日がこぼれている。竹芝は小笠原へ行ったとき以来であるから5年ぶりになる。当時は、4月だったので新社会人や転勤で小笠原へ赴任する人たちで客船ターミナルはごった返していた。今回は大きなクーラーボックスや大型の釣り竿を携行する釣り人が多く、その他にリックを背負ったハイカーやサーファーである。クラブツーリズム催行の式根島・神津島(天上山)に参加する13名の一員である。

5月12日(金)雲が多い晴れ
 午前8:45発 高速船「愛」で式根島に向かう。時速80キロで航行する。東京湾を出て、大型海洋生物が出没する海域に達すると衝突を避けるためにスピードを落とす。最初の寄港地が大島、次が利島、新島そして式根島である。竹芝からおおよそ3時間の船旅で、式根島に入港したのは正午である。東京から171キロの離れ島である。人口は540人とか。最盛期でも1千人に満たなかった。限界孤島であると民宿の若旦那が自虐的に説明してくれたが、若者たちで何とかしようとする意気込みは伝わってきた。民宿は年々減ってきて36軒だそうだ。周囲は12キロの大きさで神引展望台、唐人津城、隅の井、御釜湾展望台などをゆっくりまわっても3時間である。島は石の岩盤でできている。抗火石は一時鉱石として人気があり、採掘が盛んであったというが、島の西側一帯がその痕跡を残している。神引展望台からの眺めは最高である。眼下の神引湾は透明度が高く、コバルトブルーに輝きサンゴや亀の餌場として知られている。唐人津城は抗火石の裸山で荒涼たる景色で360度の眺望である。式根の松は黒松である。黒松は直立に伸長する性質であるが、西風が強いため横に枝を張るという独特の進化がみられる。式根島の売りはきれいな海と釣りのポイント、それに3か所の海中温泉である。満潮時の「地鉈温泉」は、源泉80度の高温で満潮時に海水で薄めないと入れない。神経痛や冷え性などに効能があり、泉質は硫化鉄泉、別名「内科の湯」といわれている。干潮時は「足付温泉」、ぬるくて潮が引かないと入れない炭酸泉で皮膚疾患に効能あり、別名「外科の湯」と言われる。式根松島と呼ばれる美しい景観に抱かれている。地鉈温泉と同じ泉質の「松が下雅の湯もある。地鉈温泉の景観は鉈でスパッと割ったような奇景で196段(?)の階段を下る。いずれも水着着用である。ほかに村営の憩いの湯もある。民宿は清水屋さん。若い経営者で東京からのIターンのひとりで島のガイドもしている。夕飯はタカベの塩焼、まだ旬ではないというがうまかった。刺身(カジキ、まぐろ、ムツ)もちろん明日葉など島の味である。

5月13日(土)雨
天気予報は最悪の状況である。明け方から屋根を打つ雨音で目が覚めた。弱い雨脚であったが、午前9時ごろには合羽着用するほどになった。9時10分発の大型客船で神津島に向かい10時に神津島港に着く。天上山の登山口に着いた時には雨が強くなって気分的には止めてもいいかなという思いであった。10時40分登山開始。標高572mに雨中行軍である。登り出しから一気に10合目までほぼ直登である。南側の黒島登山口から千代池を経て山上砂漠(表、裏砂漠)、新東京百景、不動池を回って天上山のピーク(三角点)に立って、白島登山口に下りる凡そ5時間の登山である。登り出しから10合目までの傾斜面は、ウラジロが密生してその中にオオシマツツジやコウズシマヤマツツジ、マルバシャリンバイなどが花をつけている。晴天ならみごとな景色であろう。約50分で10合目に到着する。10合目からからの天上は、ほぼ平らで低い灌木の中、背をかがめて歩く。千代池は天上山最大で、火口跡に雨水が貯まってできた池で渇水時には干上がる。千代池からは背丈の高い樹木が林立する林のトンネルを30分ほど歩くと、砂漠分岐に出る。雨が強いので表砂漠に回る。ゴロゴロした露岩と砂漠の白砂とのバランスが絶妙と解説してあるが生憎の雨であった。雨がおそ止みになったときにオオシマツツジの赤い色が所どころ見える。新東京百景展望地からは伊豆諸島が見渡せるはずだが雲中霧中で看板だけがやけに大きく見えた。不動池は天上山最大の池で入口に鳥居が建ち、中州に龍神が祀られている。冬には富士山や南アルプスが見えるという天空の丘はパスし、ゴロゴロした岩の多い道を進めて最高地点572mに登る。ほんの2~3分の登りであるが体が吹っ飛ばされそうな強い風のため相当時間がかかったような気がした。三角点にタッチして早々に退散した。=山頂にある大きな窪地で、神代の時代、この地で伊豆諸島の神々が集まり、水を分ける相談をしたと伝えられる場所、神津沢は断崖絶壁となっている。不入ガ沢を下ってゆくと、14時に白島登山口に着く。ここからの白島登山道はリョーブの高い樹林がトンネルを作っていて約30分下ると集落へ出る。
 天上山という韻が良いし、山上の砂漠とお花畑を見たかったが生憎の雨風では致し方なかった。来年にも再度の挑戦を考える。スミレ、マルバシャリンバイ、オオシマツツジ、コウズシマヤマツツジ、サクユリ(花芽)などが目に入ったが四季折々に花が咲き揃う。 今宵の民宿は中村屋である。漁師民宿とのこと、さすがに出るものが違う。20㎝はあろうキンメダイの一匹づけの煮つけがでた。食卓についていた皆さんが「オー」と歓声をあげた。天ぷら、明日葉の白和え、取り立ての刺身など、さらに朝食に出たサバの塩焼は絶品である。酒は地元醸造の焼酎がうまかった。

5月14日(日)晴れ
今日が昨日だったらと恨み節に近い思いを口にしながら、はっきりと見える天上山の稜線や黒島登山道を見あげる。今日は晴れなのだ。早朝6時、昨夜の雨の余韻を感じながら街中散歩に出かける。神津島の村落は東西0.6キロ、南北1キロ、三方を山が取り囲み、西に太平洋の前浜海岸が開けた平野部がある。平野部というものの丘に近い。民宿の近くにある物忌奈命神社からスタートし、水配り像、流人墓地、おたあジュリア顕彰碑、など1時間の散策をする。神津島には2つの港がある。西側の神津島港と東の三浦港(多幸湾)で汐と波の関係でどちらから船が出入りするかはその日の8時にならなければ分からない。この日はうねりが高いということで三浦港に変更となった。9時5分のバスで三浦移動する。その途中の三浦湾展望台からの天上山、多幸湾の景色は絶景であった。三浦港10時30分発の大型客船で帰途に就く。夕なづむベーブリッチ、大黒埠頭、各高層ビルに灯がともった東京の夜景を船上から眺めて、竹芝桟橋に19時45分着く。

2017.5.12-14 クラブツーリズム

民宿 清水屋 神引海岸 展望台 式根島案内
オオシマツツジ 唐人津城の火口 御釜湾 唐人津城
地鉈温泉 山側から 海側から いい湯だな~ 地鉈温泉
足付温泉 湯加減の穴 式根島野伏港島影新島 船上からの式根島
天上山黒島登山口 雨中登山 さてどこだっけ 表砂漠標示板
伊豆諸島が見えるはず 不動池 龍神様祠 龍神様鳥居

神津島の謂れ 神代の時代に伊豆諸島の神々がこの島に集まり、水を分ける相談をしたということから神々が集まる島という。津とは何々をする場所という。
天上山山頂572m 三角点 不入ガ沢の窪地 白島登山口
リョーブの林 白島登山口 振り返る天上山 中村屋の夕食
物忌奈命神社 水配りの像 流人墓地 民宿中村屋
晴れの天上山 御製の碑 神津島港から 岩壁の絵画
三浦湾展望台から 多幸湾から天上山 多幸湧水 湧水
浜ヒルガオ ハマホウボウ 入港する大型客船 モニュメント
ベーブリッジ 夕景の横浜 レインボーブリッジ 東京の夜景



    


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