野付半島・知床岬回遊の旅

期間:2017年8月6日(日)~8日(火)



報告:渡辺

 昨年の雌阿寒岳登山に続いて、今度は野付・知床半島満喫の旅に出た。台風5号が接近する最中の出発で何となく落ち着かない旅である。8月6日、羽田12時15分と遅い出発である。北海道の東の端中標津空港に着いたのが午後2時ごろである。初めての空港で周りは緑の森と放牧地でローカル色いっぱいである。根室と羅臼との海岸線に耳かきのように突き出した半島が野付半島である。国後島まで20キロ足らずでまさに国境の町である。尾岱沼から船で野付湾を渡り野付半島ネイチャーセンターに着く。半島は海水の浸食が激しく大しけが来ると形が変わってしまうという砂州である。将来は半島の一部がなくなってしまうだろうと言われている。海面と半島の地べたの高さは同じように見えて半島の遠望は海面上に木々や建物が見える。クルージングコースの中ほどにはアザラシの群れが回遊するところがある。半島の先端には「幻の町キラク(野付通行屋跡遺跡)」がある。半島一帯は原生花園でセンダイハギ、クロユリ、エゾカンゾウ、ハマナスなど今を盛りである。野付で忘れて困るのは、海水の浸食で立ち枯れした「トドワラ、ナラワラ」でジェラシックパークの世界に入り込んだ錯覚を覚える。野付半島から国後まで16キロという。国後島の陸地がはっきりと見え、爺爺ケ岳、羅臼山、泊山の3つの高山がきれいに見えた。天気の崩れの印だとガイドが言う。国道335号線を北上し、羅臼に着く頃は薄暮で知床横断道路に入ると霧が立ち込めた。羅臼岳が右左に見え、太平洋側に雲海、オホーツク側に夕日が映え、バスのガイドさんもこんな素晴らしい光景にあったことがないくらいと感嘆していた。感動的な光景に出会えた。
北海道野付半島 野付湾のアザラシ 船着き場 トドワラ
耳かきのような野付半島 トドワラの説明 トドワラの流木 遥か洋上の国後島

8月7日 快晴とは言えないがまあまあの天気である。知床岬回遊のため昨日通った知床横断道路で羅臼へ向かう。羅臼の海はややしけ気味。うねりがあって岬回遊はできないが近場でクジラでもと出航したが、ローリング、ピッチングが酷く、1時間ばかりで帰港した。国後島の島影がうっすらと見えたが怪しげな雲が垂れ込め、地元ではこの雲を「一文字雲」と呼び、2~3日後には時化るという。収穫はなかったが、堤防の上にオオワシが飛翔していて知床の自然を垣間見た。羅臼の海から見る知床はいくつもの岬が重なり合いこれが知床岬かと聞くと、まだ先と船長がいう。羅臼の後背には知床連山が鎮座しているが雲に隠れて姿を見せてくれない。
知床横断バスから羅臼岳 知床峠付近の夕景 知床峠 羅臼港
羅臼からの知床陸地 羅臼から知床連山 羅臼港のオオワシ コンブ船

 知床に来たらやはり知床五湖である。硫黄山の山体崩壊で運ばれた岩石でつくられた起伏ある地形に地下水が湧き出してできたのが知床五湖である。ここの木々はほとんどが岩石を抱え込んだように植生している。これが硫黄山からの岩石が地盤であるという証拠である。ある程度大きくなると支えが弱いので倒れる。これを倒木更新といい、林全体が若い。一湖、二湖を回遊したが、ヒグマを見ることがなかった。一湖の高架木道は10億円かかったという。バリアフリーで電柵も作られ安心して知床五湖を見学できる。知床五湖は自然保護に力を注いでおり、レクチャーを受けなければ入れないし、入場制限も行っている。クマが出ると即、入場停止や入場者は退出など厳しい措置が取られる。我々が退場した後、三湖の付近でヒグマが出没したために入場停止となった。昼前に知床の名瀑であるオシンコシンの滝を見る。
知床半島概略図 知床八景オシンコシンの滝 知床半島のジオラマ
知床五湖の案内 ヒヨドリ草 ヒグマが食べた水芭蕉 二湖の案内
二湖 アカゲラの穴 下にクマの爪痕 岩石を抱いた森林 一湖
一湖 湖面 高架木道ゲート 知床五湖 高架木道

 午後4時半、知床岬の回遊はできないが、ウトロからも硫黄山コースのクルージングを出すことになり、知床の大自然を楽しむことができた。プユニ岬、フレペの滝、湯の花の滝、象岩、クンネポール、コケシ岩、オーバーハング、水晶岬、カムイワッカの滝など知床半島成り立ちのジオパークを見ているようで楽しかった。カムイワッカの滝のちょっと先の海岸では鹿肉を貪んでいたヒグマの親子が見られ、そこにオオワシがおこぼれをとちょっかいを出していて自然界の厳しさを垣間見た。遥かに知床岬がみえる。夜8時から知床ナイトサファリで知床横断道路を回遊した。キツネやシカに出会えたがヒグマには出会えなかった。
ウトロ市街 プユニ岬 フレペの滝 こけし岩
水晶岬 オオワシが群れている オーバーハング カムイワッカの滝

 8月8日、知床ウトロをあとに、天まで続く道と呼ばれる直線ロードを通り、摩周湖の伏流水が集まっている神の子池を見物し、オショロコマを見た。裏摩周湖展望台に行く。霧が湖面全体を覆って全景は見られなかった。ここから小清水へ出て網走から女満別空港に到着する。途中、天空の丘で昼食を取る。台風5号の影響を心配したが杞憂に終わり、若干の遅れはあったものの予定通り、16時50分羽田空港に戻った。
天に通じる直線ロード 広大な清里の大地 神の子池 オショロコマの魚影
裏摩周湖鳥観図 網走刑務所旧正門 網走番外地 天空の丘 レストラン

自然界を相手の旅だったので、知床岬を回遊できなかったのは心残りであったが、知床半島の大自然を羅臼やウトロの両方から満喫できた。
野付湾の浮桟橋 トドワラの原始林 ウニ 1600円 ウトロのゴジラ岩
羅臼港のオオワシ 自然の造形 名前忘れた 岩尾別川口平たん部

2017.8.6-8



    


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